浮力

浮力の問題を苦手にしている中学受験生はたくさんいます。むしろ得意だという子の方が稀です。力という考え方は大人でもなかなか難しいので、小学生が理解できなくても無理はありません。ところが、少し視点を変えるだけで簡単にできるようになります。


プールやお風呂に入っていると身体が軽く感じます。これは身体を水が支えているからです。この水などの液体がモノを支える力を浮力といいます。


では、浮力の大きさはどのくらいでしょうか?浮力は液体の中に入っている物体がおしのけた液体の体積と同じ重さです。


例えば、体積が100cm3の物体を水に浮かべたとき、その物体は100cm3のうちの60cm3が水中にあり、40cm3が水面上にあったとします。つまり、物体がおしのけた体積は60cm3ということです。そうすると、水から受ける浮力は水中にある部分の体積60cm3分の水の重さ60gであるということになります。


浮力の問題でややこしくて、よくまちがってしまうのが、上皿ばかりの上の水の入ったビーカーに、ばねばかりでつるしたおもりが入っている問題です。
まず、ビーカーと水で500g、おもりは体積が60cm3で重さが100gとします。
つぎに、水の中におもりが全部入っている状態では、おもりは水に支えられて、体積と同じ水の重さ60gの浮力がはたらきます。
そうすると、水に支えられている分、ばねばかりにかかる力は軽くなるので、ばねばかりの目盛りは100g−60g=40gを示します。
ところが、ビーカーが乗っている上皿ばかりの目盛りは、水が支えている60gの分がもとの500gから増えるので重くなって、500g+60g=560gを示します。


最後に、浮力でのポイントをもう一度確認します。重さの合計はビーカーと水で500g、おもり100gなので必ず600gになります。全部で600gのものを何かが分担して支えています。この問題では、ばねばかりと上皿ばかりで600gを分担して支えていると考えると問題はカンタンに解けます。