てこのつりあい

てこのつりあいは得意にしてしまう子と苦手なままの子に分かれてしまうことが多い単元です。シーソーで遊んだりする身近な体験があると解けるようになることがよくあります。


てこには3つの点が出てきます。支点・力点・作用点です。支点はてこを支えているところです。見分け方は、3つの点のうち動かないところが支点になります。力点は力を加えるところです。自分が力を入れて持つところを探せば、そこが力点です。作用点は力点に力が加わって何かするところです。見分け方は支点、力点以外のところです。


てこを使うと、ペンチのように小さな力で大きな力をかけたり、ピンセットのように指先の小さな動きをピンセットの先の大きな動きに変えたりすることができます。


てこの問題は「支点からの距離×重さ」で答えを求めます。ここでのポイントは、つりあっているときは、支点をどこにしても「支点からの距離×重さ」が成り立つということです。


具体的な例で考えます。長さ100cmの重さを考えなくてよい棒の左端に30gのおもりが、右端に20gのおもりがつり下げられています。このとき、支点を左端から40cmのところにするとつりあいます。支点には左と右のおもりの重さの合計50gの下向きの力がかかっています。それを支えるために、支点を50gの力で上向きに押す必要があります。


ここではおもりの合計と同じ力で上向きに支えていることがポイントです。


ここが重心になります。重心というのは、その物体を支えることができる点です。バットやペンを手や指で支えてみると、じょうずに支えることができる点があります。そこが重心です。


支点を左端にすると、前の支点があったところ、つまり左端から40cmのところに50gの力が上向きに、左端から100cmのところに20gのおもりが下向きに力を加えています。「支点からの距離×重さ」を考えると、上向きは、40×50=2000、下向きは100×20=2000と見事につりあいます。


つぎに支点を右端にします。右端から60cmのところ、つまり最初に支点があったところに上向きに50gの力が、右端から100cmのところに30gのおもりが下向きに力を加えています。「支点からの距離×重さ」を考えます。上向きは、60×50=3000、下向きは100×30=3000とやはりつりあいます。


これ以外には、棒に重さがある問題もよく出題されます。重心に棒の重さを書き込むだけで簡単に解けるのですが、普段から図を書いて解く習慣がない子は棒の重さを忘れてまちがってしまいます。


てこのつりあいの問題はまず図を書いて、図にそれぞれの長さや重さを書き込んでいくことです。「支点からの距離×重さ」は受験生ならだれでも知っていますし、できます。図を書くときに少し大きめに書くことがポイントです。大きく図を書くと、長さや重さを書き込みやすく、まちがいにくくなります。