ばねののび

中学受験では力や運動に関する問題が必ずと言っていいほど出題されます。また、難しい問題が含まれていることが多い単元でもあります。そして、この単元を苦手にしている子もたくさんいます。


ばねとてこの問題は全問できるようになる必要はありません。出題された問題の半分が得点できれば合格最低点にとどきます。ばねとてこは、できないところはデキナイままでほったらかしておいてもいい数少ない単元です。


ばねの問題で子どもたちに絶対に持っておいて欲しい感覚は、ばねは力を加えているときにだけのびる。そして、ばねは力に比例してのびるだけで、ばね自身がびよよ〜んとモノを引っぱることはないということです。ここがはっきりとしていないと、10kgの力で引っぱらないと動かない物が、ばねの付いているもので引っぱると8kgで動くように思ったりしてしまいます。ここは大人にはわからない子どもの世界です。


10gのおもりをつりさげると1cmのびるバネがあります。20gのおもりをつりさげると2cmのびます。30gのおもりをつりさげると3cmのびます。これはほとんどの子がわかります。でも、23gのおもりをつるすと何cmのびますか?となると、詰まってしまう子が出てきます。整数ではわかるけれども、小数ではすぐにはわからない。中学入試問題はそのようなところを突いてきます。


理科の問題を解くためには計算力も必要です。しかし、算数のように難しい計算問題を解く計算力は必要ありません。簡単な整数・小数計算と内項の積=外項の積の比の計算ができるだけの計算力があればほとんどの問題が解けてしまいます。


ばねのところで大切なこととは、ばねののびはおもりの重さに比例するけれども、ばねの長さはおもりの重さに比例しないということです。


ばねの問題はばねののびで考えるのか、ばね全体の長さで考えるのかをしっかり判断して問題を解く必要があるということがポイントです。もし、ばねの問題で詰まっていたら、「ばねののびで考えるの?それともばね全体の長さで考えるの?」と聞いてあげると問題が解けることがよくあります。