水溶液の性質08 授業風景!?④

最後に、体積比で考えさせます。
【問題】ある塩酸30cm3と水酸化ナトリウム水溶液40cm3で完全に中和します。この塩酸60cm3と水酸化ナトリウム水溶液100cm3を混ぜたときのリトマス紙の色と水分蒸発後に残る固体の種類はな〜んだ?という問題です。


まず、黒板に、
塩酸30cm3と水酸化ナトリウム水溶液40cm3で中和
塩酸60cm3と水酸化ナトリウム水溶液100cm3では?
と書きます。


答えを確認した後、残った水溶液を完全に中和するためには、どちらの溶液が何cm3必要なの?を考えさせます。


この問題を解くまでに十分に時間をかけているので、ほとんどの子ができるようになっています。できない場合は、やっぱり「もうええから次行って!」と言われるまで繰り返します。


これができるようになれば、最後の問題です。
【問題】ある塩酸50cm3と水酸化ナトリウム水溶液20cm3で完全に中和して、水分を蒸発させると食塩が10g再結晶しました。この塩酸75cm3と水酸化ナトリウム水溶液40cm3を混ぜたときのリトマス紙の色と水分蒸発後に残る固体の種類、残った水溶液を完全に中和するためにはどちらの溶液が何cm3必要かわかるかな?また、そのときに再結晶する食塩の量を求められるかな?という問題を答えさせます。


ここでも、「わからないからもう一回!」と子どもたちから言わることが想定されます。その場合、前回と同じように解説と類似問題をくり返すと思うでしょう。ところがギッチョン!今回は「わからんかったら自分で考えて」と冷たく突き放します。この冷たく突き放すところがポイントです。
 

子どもたちは中和の問題ができるようになっていることが実感できています。そして、授業中の様子から、クラスの中でこの問題ができる子の割合もわかっています。だから自分で必死になって考えて理解しようとします。そうすると放っておいても子どもたちには分からない部分を自分で考える習慣がつきます。こうすることで考える力がつき、新しいタイプの問題が出題されても、あきらめずに試行錯誤する粘り強い受験生ができるのです。ということで、子どもたちの勉強に対する姿勢が良くなり、そのうえ、私の仕事はラクになるという素晴らしい現象が起こってしまいます。