水溶液の性質04 中和するときの比を見つける!②

さらに、体積比を使って、水分蒸発後に残る固体の重さを求める問題を考えます。
【問題】ある塩酸50cm3と水酸化ナトリウム水溶液20cm3で完全に中和し、水分を蒸発させると食塩が10g再結晶します。この塩酸75cm3と水酸化ナトリウム水溶液40cm3を混ぜたときの水溶液の性質と水分蒸発後に残る固体の種類はな〜んだ?
ほんでもって、残った水溶液を完全に中和するためには、どちらの溶液があと何cm3必要で、そのときに再結晶する食塩の量を求めることができるかな?


まず、塩酸50cm3と水酸化ナトリウム水溶液20cm3で食塩が10gできるというのをノートに書き出します。ノートに書いて視覚化することでいちいち問題文に戻る必要がなくなります。そして塩酸:水酸化ナトリウムの体積比5:2も書いておきます。


この比を用いると塩酸75cm3と中和する水酸化ナトリウム水溶液が30cm3であることが簡単にわかります。水酸化ナトリウム水溶液は40cm3あるので、水酸化ナトリウム水溶液10cm3が残ります。なので、反応後の水溶液はアルカリ性で、水分蒸発後に残る固体は食塩と水酸化ナトリウムです。


つぎに、残った水酸化ナトリウム水溶液10cm3を中和するのに必要な塩酸の体積を求めます。ここでもまた、体積比5:2が大活躍してもらって、中和に必要な塩酸が25cm3とわかります。


塩酸50cm3が完全に中和したときに食塩が10gできたことから考えると、塩酸が25cm3なら食塩は5gだということがわかります。一方、水酸化ナトリウム水溶液20cm3が中和すると食塩が10gできることから考えると、水酸化ナトリウム水溶液10cm3が残っているので、やはり食塩は5gだということがわかります。