中学受験 理科の勉強法 人体 血液の成分

血液の循環では血液成分も学習します。固体成分が赤血球、白血球、血小板で液体成分が血しょうです。それぞれのはたらきは、赤血球は色素のヘモグロビンで酸素を運ぶ役割、白血球は病原菌をやっつける役割、血小板は出血している場所で血液を固めて止める役割、血しょうは不用物や養分、二酸化炭素を溶かして運ぶ役割です。


ヘモグロビンは酸素を運ぶ血色素で、酸素を結合しているときは鮮やかな赤色、酸素が外れているときは暗いような黒っぽいような赤色をしています。一酸化炭素は酸素より250倍ほどヘモグロビンに結合しやすく、それが原因で一酸化炭素中毒をおこします。


では、なぜ酸素は赤血球で二酸化炭素は血しょうで運ぶのか?ということに話をもどします。これは化学の分野と共通するのですが、酸素は水に溶けにくく、二酸化炭素は水に少し溶けるという性質がポイントになります。


20℃,1気圧の水 1cm^3 に対する気体の溶解度は、酸素0.031,二酸化炭素0.88です。つまり二酸化炭素は酸素の約30倍溶けるということです。そんな二酸化炭素でも『少し溶ける』です。


ちなみに、『よく溶ける』の代表の気体の溶解度はどの程度かというと、塩化水素442(酸素の約14000倍),アンモニア702(酸素の約22500倍)です。(単位はいずれも cm^3 です。)むちゃくちゃ溶けるよる!


この溶解度の違いが赤血球で運ぶか、血しょうに溶かして運ぶかの違いになっています。栄養分の運搬に関しても同様のことがいえます。丸覚えではなく、『なぜそうなのか?』を考える習慣を今のうちから身につけるようにしよう!