エデュテイメントな発想が理科離れを防ぐ

岩波書店の雑誌『科学』10月号に鎌田先生のエッセイが掲載されています。題名は『エデュテイメントとしての理系教養科目』です。常日頃から相手の視点に立って物事を考えないと知識が伝わらないと工夫されている鎌田先生ならではのエッセイです。


このエッセイの中の研究で遭遇した珍しい事件、必要な技術、成功談と失敗談などの具体的なエピソードが入り口になるという話は、特に小学校・中学校の先生には考えて欲しい問題です。


現在の理科離れは、小学校や中学校で『具体的なエピソード』を生徒に話せる先生が少ないことが一因になっていると思います。実際に体験した成功談や失敗談は生徒にとって、とても魅力がある話であり、科学への入口となります。また、そのような具体的な話は経験がないとできません。


経験を積むために様々なセミナーや実験教室、博物館・科学館などに出かける。ビジネスマンや職人の方には当たり前の発想なのですが、公立の学校の先生にはそのような考え方を持っていらっしゃる方が少ないように思います。←これは昨年、教育実習に行って感じたことです。


様々な経験をした上で、学生に伝える技術を工夫する。鎌田先生はエデュテイメントな発想が理系教養科目の成否のカギになると書いておられます。まさにこれが科学の入口にいる生徒に対峙する小学校・中学校の先生に必要な発想であると思います。