公立小学校の先生は理科が苦手?

理科離れという言葉を耳にする機会が多い今日この頃、子どもたちの科学に対する意識と学習状況を科学技術振興機構国立教育政策研究所が共同で調査しました。具体的には、公立の小学校の理科指導の実態を調査するために全国の小学校からか380校・約1000人の先生方を対象に小学校理科教育実態調査を行ったとのことです。


対象は小学校の理科主任またはそれに代わる理科教員、学級担任として理科を教える教師、理科専科の教諭がいる場合はその1名です。簡単にいうと、理科を主力で教えている先生方です。ここがポイント。


そして、くわしい調査結果はこちらのページ→ 「平成20年度小学校理科教育実態調査」集計結果について
のここ→ 集計結果
調査結果は目次も合わせると259ページにも及びます。読むだけでひと苦労!


この調査を受けてのコメントとして
【学級担任として理科を教える教員の約半数は理科の内容の指導に苦手意識を感じているにもかかわらず、約3分の2の学校では、校内での理科の研修会が年間一度も開かれないなど、時間不足や、研修機会の不足によって、苦手意識の克服が難しい状況にあることがわかりました。今後の支援策として、「身近に理科教育をサポートしてくれる場の設置や充実」や「優れた教材情報」、「優れた指導法に関する情報」の提供などへの期待が特に高いことも分かりました。】
JST独立行政法人科学技術振興機構のホームページにありました。


先生方からの意見を要約すると、
・研修機会の不足で苦手意識の克服が難しい
・サポートしてくれる場が欲しい
・すぐれた教材や指導方法の情報が欲しい
などです。繰り返しますが、理科を教える主力の先生方の意見です。この結果を保護者であり、ビジネスマンや職人として現場の第一線で働いておられるお父さん方が知ったらどう思うか…


いつの時代も、どんな職業の人でも優れた情報や技術を得るために、世間一般の人はものすごい努力をしています。ただ、欲しい!欲しい!というだけでは誰も技術や情報を与えてくれません。自らがすすんで頭と体を使って、時間とお金をかけて、努力を繰り返して初めて手に入るものばかりです。


今回の調査の結果は政府の科学技術基本計画実施における、初等中等教育段階での理科教育の現状と課題の把握、特に理科教員に関する実態把握の基礎資料となるそうです。理科は、来年度から新学習指導要領に段階的に移行していきます。小学校では平成23年度、中学校では平成24年度の完全実施までに、時間数と内容増に対応した教育環境の整備と教員の研修などの条件整備を行う必要があります。がんばれ!JST科学技術振興機構 理科教育支援センター!!