ネコと砂糖

先日読んだチーズスイートホーム週刊モーニングで連載中)で、話の最後にヨウヘイと猫のチーがいっしょにアイスクリームを食べる場面がありました。

ここでちょっとカガクしてみたいと思います。

ほとんどの動物は甘い味の食べ物を好んで食べます。しかし、ネコは甘いものを好んで食べません。甘味の主成分のショ糖は動物の体内に入るとブドウ糖と果糖に分解され腸で吸収されエネルギーに変わります。デンプンに比べると構造が簡単なので吸収が早く、即効性のエネルギー補給に向いているといえます。でも、糖質を取り過ぎるとエネルギーとして使われずに残った分はもったいないので脂肪に変換されて体脂肪として貯蔵されます。

ネコが甘いものを好んで食べないのはネコの舌には甘味を感じる部分がないからです。だから甘いものを与えてもネコは喜びません。例外的に甘いものを食べる時は甘さを感じて食べているのではなく、その食感を楽しんで甘いものを食べていると思われます。ネコ科の動物は甘いものを食べないからといって糖分を吸収していないわけではありません。糖質が脂質に変換されて貯蔵されるように、脂質が糖質に変換されてエネルギーにもなります。ネコ科の動物はそちらを多く利用しているのかも知れません。


今回のチーの行動はアイスクリームの甘さではなく冷たさと脂肪分に誘われておいしそうに食べていたのでしょう。


甘味を感じることができないネコ科の動物、もし自分がネコ科の動物だったらアイスクリームのおいしさもチョコレートのおいしさもケーキの美味しさもわからないのでしょう。そんな人生いや猫生ではとってもサビシくて私は耐えられません。でも、魚やカツオ節などはとってもおいしく思えたりして…。それはそれでチョッとうらやましいかも。