溶解度 砂糖の秘密 その2

前回は砂糖の保存性について書きました。今回は砂糖の隠されたパワー!その2です。

私の友人にパン屋の息子がいます。そのパン屋の息子と私が小学生のときにイースト菌の発酵で風船をふくらます自由研究をしました。ビール瓶にイースト菌とパンの生地を入れて、瓶に風船をとりつけて発酵させると風船が見事にふくらむはずでした。イースト菌とパン生地を入れたビール瓶を冷蔵庫にいれてねかせます、しかし、風船は何日たってもふくらまず、実験は失敗に終わりました。
実はパンを作るときには少量の砂糖が必要になります。これはパンを甘くするのが目的ではありません。パンを作るときにイースト菌を働かせてパン生地をふくらませます。砂糖はイースト菌の栄養剤となってイースト菌を活発に働かせます。(今、考えると自由研究の時にパン屋の息子は砂糖を入れていなかったような気がします。)

イースト菌が働くと、砂糖が分解されて炭酸ガスと微量のアルコールができます。発生した炭酸ガスでパンの生地はふっくらとふくらみ、味を良くします。一方、発生した微量のアルコールはおいしそうな香りを出します。私たちの周りの食べ物で、香りがいいところには、いろいろな種類のアルコールが微量に含まれていることが多いのです。


これ以外にも砂糖を入れると葛湯がなめらかになったり、硬いものを煮るときに、ある程度火がとおったところで砂糖を少し入れておくとほかの調味料が浸み込みやすくなったりします。また、卵白を泡立ててメレンゲ、生クリームを泡立ててホイップクリームにしたりするときに砂糖を入れると泡立ちやすくなります。


意外に知られていない砂糖パワー!ってすごいでしょ!