水からの伝言と疑似科学

昨日のマイナスイオン関連で疑似科学を調べていると『水からの伝言』にたどり着きました。

水からの伝言』という写真集をご存知ですか?雪のように凍った氷の写真集なのですが、写真に「ありがとう」「平和」とか「ばかやろう」「戦争」という言葉がついているのが特徴だそうです。水に『良い言葉』をかけてから氷にするとキレイな雪のような結晶になり、『悪い言葉』をかけると汚い悪い結晶ができるそうです。


この部分だけですでに科学から大きく外れています!!


まず、『良い言葉』というのは水が『良い言葉』であると認識しなければなりません。つまり水は日本語を理解できるという前提で話はすすんでいます。

水は単なる液体ではなく日本語も理解できるスゴイ奴だった!!(by 水からの伝言

水は人類が誕生する遥か以前から、そう何十億年も前から地球上に存在します。そんな遥か昔から水は日本語を理解していたのです!!

地球上の水の循環のメカニズムを考えると、日本で蒸発した水が必ず日本に戻ってくるという確証はありません。水の分子1つ1つはものすごく小さいので、例えば、500mlの水の中には日本語を理解するものと英語を理解するもの、もっとスゴイ分子になると日本語・中国語・英語・フランス語などが理解できる分子が存在したりして…。でも、それだと日本語が理解できない分子の場合、キレイな言葉をかけても言葉が通じないのでキレイな結晶にはなってくれないことが予想されます。


では1つの仮説を立てて考えましょう。水は瞬時に言語を理解する、しかもそれがどんな言語であっても理解できるという仮説です。
この仮説なら『水からの伝言』は成立します。たとえそれが地球上のどんな国へ行っても、その国の言葉を水は一瞬で理解できるのです。もしかしたら動物にも言葉があり、水は動物の言葉まで理解できたりして…。う〜んドリトル先生もまっ青ですな。


次に言葉についても考えてみましょう!
「平和」が良い言葉で、「戦争」は悪い言葉だそうです。といことは「戦争反対」は悪い言葉の「戦争」を含むので悪い言葉になってしまうのでしょうか。ナゾが謎をさらに深めていきます。
では、平和を乱そうとしている悪の秘密結社シ○ッカーのような団体の人はどうなるのでしょう。彼等にとっては「平和」は悪いことであるはずです。彼等が「平和」という言葉をかけて氷を作ると悪い結晶ができるのでしょうか。キレイな結晶ができたら、水は良いヒトと悪いヒトを判断できるスゴイ奴ということになるのかも…。
ここまでくると、もう私のアタマでは限界を超えてしまって理解できません。


そして、キレイかキレイでないかは個人の感覚の違いであると思うのですが水はそこまで感じ取ってしまうといことなのか…。 すごいぞ!水!! といことは、人間よりも水にキレイ、キレイでないを決めてもらったらいいのではないか? そう考えると水が認めたイケメンの兄ちゃん,水が認めた美人なども存在してしまうことになってしまうかも…。


奥が深いゾ!水からの伝言!!


そうそう、『水からの伝言』を使って道徳の授業を行っていた学校があったのは知っていますか?
キレイな氷の写真とそうでない氷の写真を見せる。そして、キレイな氷はキレイな言葉を貼って一晩置いたもの、そうでないものはキレイでない言葉を貼って一晩置いたものと説明します。人体の70%以上が水でできているので言葉はヒトの体にも影響を与える、だからキレイな言葉を使おう!という授業です。いかにも小学校の先生が好きそうでしょ!
まぁこの理屈で考えるとヒトの体に影響しているかどうかはヒトを氷らせて(この時点で生徒の中から犠牲者が出る!)、胴体を切断して、氷の結晶の形を見ないとわからないはずなんですが…。


ニセ科学で生徒が混乱するという問題があるので、今はそのような授業はほとんどされていないはずです。すいません日本全国の学校を調べたわけではないので断言はできませんがされていないと思います。


疑似科学についてもう少しくわしく調べて、わかったことがあれば書いていきたいと思います。
奥が深くて、何でもあり!科学ではなく、楽しい楽しい疑似科学!!


最後に1つだけ…
水はどこまでいっても水です!!