中学受験 理科の勉強法 植物

中学受験の理科はどのように学習していけばよいのか?進学塾の先生として15年以上のKissieがその勉強法の1つを紹介します。

中学受験の植物はどの参考書を見ても種子のつくり、花のつくり、根・茎・葉のつくり、虫ばい花・風ばい花など、覚えておかないといけないことのオンパレードです。
では、どうやって覚えるか?
ゴロ合わせで覚える。歌にして覚える。演習を繰り返して覚える。いろいろ方法があります。
しかし、覚えただけでは忘れることもあるし、覚えていないことが出題されると、もうそれまでになってしまします。


どうすればラクして成果を上げることができるか?


結論から言うと、植物を分類していったのは人であるので、その分類方法を理解してしまえば植物の形態から分類できるはずであるということです。あとはこちらが中学受験に出題されそうな範囲をしぼってやれば大切な脳のメモリーを単調な単語の記憶に使用することはなくなるはずです。


具体的な例で考えてみましょう、中学入試問題にカキの種子の構造がよく出題されます。なぜカキの種子がよく出題されるか?というと、カキは双子葉植物なのに種子にはい乳を持つからです。有はい乳種子のほとんどが単子葉種子です。双子葉植物は種子の中の子葉に栄養分を蓄えています。しかし、カキは双子葉なのにはい乳があり、双子葉だから幼根、はいじく、子葉の区別がある『はい』を持ちます。


なぜそうなったか?を話しだすと長くなります。生物の進化が関係してくるのですが、生物の進化については小学校も中学校も今の学習指導要領にはありません。ですが、進化の話から入ると子どもたちはおぼろげながらも進化を理解します。理解するから植物の形態の情報などからその植物が進化のどの位置にあるか判断できるようになります。そして、有はい乳種子なのか無はい乳種子なのか、虫媒花なのか風媒花なのか、単子葉なのか双子葉なのかなどを答えることができるようになるのです。


私が植物の単元の授業を行うときは、30〜35億年ぐらい前にシアノバクテリア(ラン藻)が初めて光合成を行ったことから始めます。
その後、真核生物が出現してシアノバクテリアを細胞内に取り込んで真核光合成生物、つまり植物が出現したことになるのですが、ここはややこしいから飛ばします。
そして、話はさらに進んでコケ類が上陸して、シダ類に進化して(ここまでは胞子植物)、種子植物が出現します。
種子植物裸子植物被子植物に分かれるのですが、被子植物の進化は初期の進化の化石が少なく詳しくわかっていません。進化論の家元のダーウィン先生ですら敬遠していたほどです。だからここも裸子と被子に分かれたとしか教えません。その被子植物の中に単子葉と双子葉があります。

ここまでの進化の流れをオモシロおかしく30分ぐらいかけて話します。おもしろい話は子どもの記憶に残りますし、授業も楽しいので理科が好きになります。そうすると自分でいろいろと調べたり、勉強したりしだすので成績も上がっていきます。